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日本山岳会 群馬支部

安全登山の基本4 基本守り安全に楽しむ 登山計画書の作成

安全登山の基本4

*上毛新聞「視点オピニオン」に2024年12月から’25年10月まで、7回にわたり掲載されたコラムを上毛新聞社の許諾により掲載します。

執筆:根井康雄(日本山岳会群馬支部長)

基本守り安全に楽しむ 登山計画書の作成

群馬県警のまとめでは、2024年に県内で起きた山岳遭難は121件と、前年から26件減りましたが、一方で、遭難したケースのうち登山届を出していたのはわずか37%にとどまっていたという点に注目したいと思います。

山へ行く前には、まず全体的な計画を登山計画書としてまとめます。内容は日程・行程、メンバーとリーダー、分担をはじめ、必要な装備、衣類、食料など。ルートの体力的負荷や難易度・リスク、想定される気象条件などを踏まえ、参加メンバーの登山レベルや経験に合わせて練り上げます。

半日程度のハイキングと数日に及ぶ縦走、難易度の高い岩登りや冬山では当然、計画書のボリューム、掘り下げる深さは変わってきますが、たとえ数時間のハイキングであっても、事前に地図を広げ、ルート検討や装備、衣類、食料などを考え、計画書としてまとめていくことが必要です。リーダーが主導するとしても、計画書作成には何らかの形でメンバー全員が加わらなくてはなりません。

登山計画書から必要な項目を抽出して登山届を作成しますが、パソコンやスマートフォンを使って群馬県警のホームページや登山アプリから入力、提出することができます。

アプリの場合、ルートを指定し、そのほかの必要事項を順を追って入力し、登山届として容易に送信することができます。アプリによっては、万一の場合、県警が捜索や救助に登山者の情報を活用できるものや、登山者の位置を家族など指定されたアドレスにメールで伝えてくれるものもあります。また、無雪期の日帰りや1泊程度の比較的易しい登山・ハイキングでは、アプリで作成、提出した内容で登山計画書と登山届を兼ねることもあるでしょう。

登山届の提出先は県警や管轄する警察署、登山口の提出箱、そして所属山岳会や山仲間、家族などです。谷川岳の危険地区など登山届の提出が条例で義務付けられているところもありますが、そうでないところでも、提出は登山者の大切な責務です。何よりも計画書を作ることから登山が始まるわけですから、届け出までを登山前の一連の流れとして定着させたいものです。

登山届が出ていれば、万一の場合でも発見までの時間が短縮され、大事に至らぬうちに救出される可能性が高まります。にもかかわらず、登山届の提出がなかなか徹底されないのは、登山前に計画書をまとめるという事前の大切な過程を踏まずに安易に登っている登山者の多さを物語っていると言っても過言ではないでしょう。

登山計画を考えるということは、実は夢を実現するためのとても楽しいことです。アプリでも手軽に登山届を提出できます。登山計画書と登山届は山を登る基本であることを理解し、安全に登山を楽しんでほしいと思います。

安全登山の基本1 「こんな登山は危ない 事故招く過信と無計画」

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