2021年度
令和3年度
朝日連峰・月山・葉山
大雪だったこの冬の寒さも和らいだ3月3日、山形市立楯山小学校の校庭からは大きなプリンのような大岡山がすぐ近くに見えた。今年度の「学校から見える山」はこの大岡山から見た展望図である。今日は大岡山から一番近い楯山小学校で、「2020学校から見える山」を子どもたちに贈呈する日である。新型コロナの感染拡大により子どもたちに直接手渡しできるかどうか心配されたが、楯山小学校の教頭先生と直前まで連絡を取り合い、5年生を対象に贈呈式をすることになったのである。
 お雛様が飾られた校長室で、笑顔で迎えてくれた校長先生が全校生で大岡山登山をしていることなどを話してくれた。会場の音楽室には5年生の子どもたちが待っていてくれた。校長先生のお話の後、鈴木支部長から児童への贈呈が行われた。一人一人が半透明なケースから展望図を取り出して驚きの表情で見入っている。今回の「学校から見える山」は折り畳み式の展望図である。両手をいっぱいに広げて展望図を開いて見ている子どももいる。木山由紀子様による朝日連峰から月山、葉山にかけて連なる残雪をいただいた山並みが鮮やかに描かれている。粕谷俊矩さんから、すべての山には名前があり名前を覚えて仲良くなってほしいと、語りかけるようにお話があった。子どもたちは展望図を見つめ時折うなずきながら聞いていた。児童代表から、来年の全校大岡山登山では、下級生に山の名前を教えてあげたいとのお礼の言葉があった。コロナのために歌えないので、CDで校歌が流れた。「つつじいろどる大岡山」の歌詞がある校歌だった。
 今年度の「学校から見える山」は、粕谷さん、野堀さん、木村さんと私工藤の4名が担当することになった。木山様からラフスケッチが届いた8月、担当の4名に支部長と河口事務局長が加わり、第1回の編集委員会を行った。会場にお借りした粕谷さん宅には、事典やパンフレットなどの多くの資料がそろっていて、それをもとに山名や標高を書き入れる作業を行った。3回目の編集委員会では、表紙の図柄やケースの材質などを決定した。この間、北星印刷(株)には何度もお伺いして細部にわたる相談やお願いをすることになった。社長の岩間様には、子どもたちに喜んでもらうためにと協力を惜しまずに応えていただいた。また、野堀さんのご尽力により、今年度もマエタテクノロジーリサーチファンド様から多大なご支援をいただくことができた。
 作品の仕上げと並行して贈呈についての相談を進めた。大岡山から近い楯山、高瀬、千歳、鈴川の各小学校の5年生と6年生に贈ることにした。山形市役所で荒澤教育長様に直接お話をさせていただき、その場で快諾をいただくことができた。担当の黒沼係長様、楯山小学校の渋谷教頭先生とは何度も相談させていただき、贈呈式を迎えることになったのである
贈呈式の後、支部長と事務局長、野堀さんが県庁のみどり自然課を訪ね、山形県を会場として開催される山の日に合わせた「学校から見える山」の活用などについて話し合った。これからの進展も楽しみである。
 工藤 正年
2022年3月3日:楯山小学校で贈呈式