JAC 埼玉支部2023年度9月支部山行報告
燕岳(2,763m)<大天井岳(2,922m)中止> グレード☆☆☆
pdf版(参加者の感想文含む)はこちら → 山行報告
*日 程:2023年9月30日(土)~10月1日(日)1泊2日
*場 所:燕岳2,763m
*参加者:CL小玉、SL町田、古川、稲越、塚越、萩原、磯崎、平本(真)、平本(美) 計9名
*行 程:穂高駅に集合し、登山口(中房温泉)迄はバスで移動
9/30(土) 7:45中房温泉登山口→8:25第一ベンチ→9:00第二ベンチ→9:44第三ベンチ→10:29富士見ベンチ→11:10合戦小屋→12:45燕山荘(荷物デポ)13:20→13:55燕岳山頂→14:20燕山荘(泊)
10/1(日) 5:35燕山荘出発→6:24合戦小屋→9:10中房温泉登山口
*歩行時間:1日目約6時間30分(休憩込)2日目約3時間30分(休憩込)
*装 備:
小屋泊装備:食料(1日目の朝昼・2日目の昼)、行動食、非常食、着替え、替え靴下、インナーシーツ、雨具、ヘッドランプ(予備電池)、レスキューシート、救急用品、飲料水、ストック、携帯電話、モバイルバッテリー、防寒着 等
*行程概要:
今回、北アルプスの女王「燕岳」と常念山脈の最高峰「大天井岳」山行の予定でしたが、生憎の荒天に見舞われ大天井岳への縦走は中止としました。
秋晴れの中、中房温泉登山口からスタートしました。登山道はアルプスでも指折りの急登ですが、第一から第二、第三、そして富士見平とベンチが設置されています。休憩のタイミングもとりやすく歩く目標にもなりよかったです。合戦尾根ルートは整備された登山道で、安心して歩くことができるルートだと思いました。
参加者の方達は、ゴゼンタチバナやツルリンドウなど高山植物の観察にも余念がありません。花や実を見つけては、これは何?と植物博士に聞き、皆で共有しながら高山植物を堪能していました。
夏の合戦小屋はスイカが名物ですが、季節が変わりスイカがお汁粉になっていました。ここでは、少し時間をとり各自お汁粉やおでん、うどん等を堪能しました。急登を登ったあとのご褒美は最高です。合戦小屋から上は丁度紅葉の見ごろで赤、黄、緑のコントラストが青空に映えとても美しかったです。また、燕岳は花崗岩でできた独特の山体であり、花崗岩の白も合わさり、それはそれは素晴らしい景色でした。
ほぼ予定通りに燕山荘に到着し、チェックイン後荷物をデポし山頂へ向かいました。空は灰色の雲に覆われまもなく雨が降ってきそうな気配でしたが、山頂までの稜線はくっきりと見え、山頂とイルカ岩の前で記念撮影をしました。雲に覆われながらも槍ヶ岳やその山々に続く美しい稜線を見渡すことができ、満足感でいっぱいになりました。
燕山荘に戻り夕食までの時間は、食堂で生ビールやケーキセットを堪能しました。食堂やカフェテラスは、多くの人で賑わっていました。夕食はハンバーグに魚、生野菜やデザートまで付いた豪華な食事で、ここが山の上であることを忘れてしまいそうになりました。食事中、オーナーが燕岳の自然を守る活動や安全登山について等、貴重なお話をして下さいました。今でこそ、燕岳のコマクサの群生は有名ですが、ここまでになるのに20年を要したと聞き、登山者一人一人の行いが非常に大切だと痛感させられました。そして、念願だったアルペンホルンの音色を聴くことができ感動しました。
お腹と心が満たされましたが、外は雨が降り出し時間と共に雨足が強くなってきました。翌日の行動予定をどうするか協議を重ね、状況によっては縦走を中止にするということになりました。夜半から朝方にかけて風雨が一層強まり、行程を継続することは危険と判断しリーダーから下山することが伝えられました。ヘッドランプを点けた状態での下山も厳しいことから明るくなるのを待って5時半過ぎに下山を開始しました。山小屋を出た瞬間、吹き飛ばされそうな程のものすごい風が吹いていました。テント場から下山道に入ると風は遮られ雨も少し落ち着いてきました。足を滑らせないよう一歩一歩着実に歩を進め、合戦小屋迄は1時間弱で到達し中房登山口には9時過ぎに到着しました。雨は上がり青空が出ていました。皆、怪我をすることなく無事に下山できました。 (記:町田美春)