2023年9月23日(土)~24日(日)の2日間にわたり、第36回日本山岳会全国支部懇談会が群馬支部の主催により県北部、谷川岳や奥利根の山並みに囲まれ、利根川の源流に臨む自然豊かなみなかみ町を会場地として開かれた。全国支部懇談会としては2019年に栃木支部主催で、栃木県日光市の奥日光で開かれて以来4年ぶりとなる開催で、24支部、156人の会員が参加した。
1日目は開会に続いて講演会が開かれた。講演のテーマは「今、谷川岳で安全登山を考える」。長年にわたり谷川岳で遭難救助にあたってきた、群馬県警察谷川岳警備隊長の伊藤武氏によるリアルな写真も交えた実体験に基づく事例紹介で、会員は大きくうなずきながら聞き入っていた。
夜の部の懇親会では群馬支部が用意した谷川岳や赤城山、尾瀬の雪解けなど6種類7本の群馬の山の名が付いた地酒のほか、各支部が持ち寄った全国の銘酒30本以上がズラリと並ぶ日本酒カウンターが大好評だった。
2日目は群馬支部会員の案内とサポートで谷川岳東面の岩壁を眺めるハイキングに向かった。「旧道」と呼ばれる今は歩行者専用となっている舗装道路をのんびりと歩き、一ノ倉沢出合を目指す。途中のマチガ沢も目的地の一ノ倉沢もその全貌をくまなく見せて、こまかな岩の表情までくっきりと描き出していた、その岩肌に数十年前の自らの登攀ルートを描き、懐かしい青春の日々の思い出がよみがえった会員も多かったと思う。