三国峠~谷川岳(約23km) 日本山岳会群馬支部創設5年目のイベントで行われている「ぐんま県境稜線トレイル」(以下稜線トレイル)リレーでの走破、その5回目として2018年9月1~2日、三国峠から谷川岳まで縦走した。大パノラマが楽しめるはずであったが、各地に大雨をもたらした前線が停滞し、風雨の中の登山となってしまった。
1.ルート概要
谷川岳から万太郎山、仙ノ倉山、平標山へと続く稜線は谷川連峰主脈縦走、国境稜線縦走などと呼ばれ、以前から人気のあるコースである。稜線上に高木がほとんど無く、大展望と高山植物を楽しみながら歩く良いコースであるが、近年通しで歩くパーティは少ないと言われる。稜線トイレルの開通をに、より多くの登山者が訪れる事を期待したい。
三国トンネル口から平標山、谷川岳を経て天神平まで約23㎞、登山難易度はB5(上級コース)であり1日で走破するには困難で、平標山の家あるいは肩の小屋、稜線上に点在する避難小屋を利用し1泊で歩く事をお勧めする。
2.コースガイド
三国峠へはトンネルの両側に登山口が有る。峠には三国権現(弥彦、赤城、諏訪の三明神を合祀した)が鎮座する。古来、幾多の人々が、峠を超えて行ったことだろう。三国山は巻道もあるが山頂を経由して歩きたい。大源太山は稜線コースから東に外れる寂峰で、時間に余裕があれば訪れたい。
平標山の家から平標山、そして縦走中最高峰である仙ノ倉山へは木道と階段が続く。仙ノ倉山から谷川岳へは、エビス大黒ノ頭、万太郎山、大障子ノ頭、小障子ノ頭、オジカ沢ノ頭と、大きなピークを越えて行くが、間に多くの小ピークが続き、アップダウンが激しい。特に仙ノ倉山から万太郎山間はエビス大黒ノ頭の登降を含め450mの下りと400mの登りがある。
・小屋
営業小屋 肩の小屋、平標山の家
無人小屋(宿泊可能人数) エビス大国避難小屋(3人)越路避難小屋(5人)、 大障子避難小屋(7,8人)、オジカ沢避難小屋(4人)
・水場
平標山の家(豊富)、 大障子避難小屋(往復20分)、肩の小屋(天水煮沸有料)
・エスケープルート
毛渡乗越から赤谷林道 滝の髙巻、渡渉点があり、一般的では無く、雨天時は不可。
万太郎山から五作新道 唯一しっかりした道があるが、距離が長い。
中ゴー尾根 藪で道不明瞭、急登降の連続で、下部には滝の高巻等あり、上級者向け。
・交通機関
谷川岳は上越線土合駅から徒歩で登山口、あるいはロープウェイ乗り場。三国峠までの公共交通機関は無く、平標登山口経由、西武クリスタル前まで越後湯沢駅からバスの便あり。バス停から三国峠新潟側登山口まで約2.2㎞。(南越後観光バス 025-773-2573 要問合せ)土合駅、越後湯沢間はJR上越線を利用する。
群馬側からは特に三国峠への交通の便が無く、今回も行き帰りとも会員の送迎を受けた。
・標準コースタイム(GPSデータ2日累計 距離23.1㎞、累積標高差+2816m、-2542m)
三国トンネル口から天神平駅まで約14時間30分(西黒尾根を下山プラス1時間40分)。逆コースを歩いても、ほぼ同様と思われる。
三国トンネル口-1:40-三国山-2:10-平標山の家-0:50-平標山-0:55-仙ノ倉山-1:00-エビス大黒ノ頭-2:40-万太郎山-2:10-オジカ沢ノ頭-1:00-肩ノ小屋-0:10-トマノ耳(肩ノ小屋-1:40-ロープウェイ天神平駅)(肩ノ小屋-西黒尾根(3:20)-土合)土合駅まで20分
[注意点]
① アップダウンが多く長距離。
② エスケーブルートが少ない。
③ 痩せた岩稜の登降が多い(濡れた岩場は特に注意)。
3.近辺の山と温泉、スキー
・登山
谷川岳馬蹄形 谷川岳-茂倉岳-ヨモギ峠-清水峠-朝日岳-笠ヶ岳-白毛門と1周するロングコース(1泊)
苗場山(2145m)、巻機山(1967m)、稲含山(1598m)、吾妻耶山(1341m)
・スキー、温泉
苗場スキー場 http://www2.princehotels.co.jp/ski/naeba/
天神平スキー場 http://www.tanigawadake-rw.com/index.phpホワイトバレースキー場 https://www.whitevalley.jp/
法師温泉 http://www.hoshi-onsen.com/
水上温泉、湯檜曽温泉など
(日本山岳会群馬支部:CL中山、黛、鈴木)