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日本山岳会 群馬支部

ぐんま県境稜線トレイル全線踏査(第2班 毛無峠~渋峠)

第2班(7/30)

毛無峠~渋峠 photo1.JPG日本山岳会群馬支部は、支部創設5周年のイベントとして、『ぐんま県境稜線トレイル』のリレー踏破を行っている。第2回となる毛無峠-渋峠のルートを2018年7月30日に縦走した。

1.ルートの概要 『ぐんま県境稜線トレイル』(以下稜線トレイル)で毛無峠-渋峠間は、長野県と接する17km、うち遊歩道・登山道が3km、残り14kmが舗装道路である。万座温泉周辺が遊歩道、ここから山田峠近くまでが登山道で、前半が針葉樹の中に木道や階段の道、後半はササ原の道となる。この辺り一帯を含む上信越高原の広い範囲が国立公園であり、ルートはほぼ中央分水嶺に沿っている。コース難易度は現時点で未決定であるが、A2相当である。

アプローチは自家用車が便利であるが、渋峠、万座温泉へは定期運行バスの利用も可能である。毛無峠は、万座温泉等宿泊施設による送迎を利用できる可能性がある。万座温泉から先の車道は、例年11月中旬から4月下旬まで冬季閉鎖される。

約100kmの稜線トレイルで、舗装道路は唯一ここだけである。歩くことをどう考えるか、第4項で述べてみたい。

2.コースガイド
photo2 .JPG毛無峠から県道112号線の緩い上りを北上する。左手に北アルプスの遠景と北信五岳の山並みが広がる。足元にはホタルブクロ、ウツボグサなど。

県道466号線の起点となる三叉路で右に折れて東進する。こんどは群馬県側の視野が広がる。亜高山帯特有のコメツガ、オオシラビソなど針葉樹の鬱蒼とした山並み。

万座温泉街までは緩い下り。ここから遊歩道に入り、万座川左岸に渡る(注1)。川に沿って登ってゆくと、樹林帯に入り、木道や木製の階段が続き次第に高度を増してゆく。ここではゴゼンタチバナ、マイズルソウ、アカモノなど。

樹林帯を抜けるとササ原の道となる。道標がないので注意深く踏み跡を追う。高度が増すにつれ右の白根山、左の横手山が近くなる。最後に少し下って国道292号線に下り左に行くと、山田峠の道標と避難小屋が見える(注2)。

このまま国道を行く。右に大きくカーブする所に国道からそれて渋峠に向かう登山道があるが、ルートが明瞭でない。国道を上りあげると、標高2,172 m国道最高地点の碑があり、ほどなく渋峠に着く。

photo3.JPGのサムネール画像

(注1)橋は3本ある。最上部の橋は現在通行止め
(注2)避難小屋は現在立入禁止

【標準的な歩行時間】

・東進ルート 約5時間 (距離;17km、累積標高差;+648m、-317m)
毛無峠→1:00三叉路→1:10万座峠→0:25万座温泉(万座住民センタ)→1:40山田峠→0:50渋峠

・西進ルート 約4時間30分 (距離と累積標高差は東進ルートを参照)
渋峠→0:30山田峠→1:20万座温泉(万座住民センタ)→0:30万座峠→1:20三叉路→0:50毛無峠

【注意点】県道112、466号線はセンターラインのない狭い道であり、また国道292号線は観光道路として往来が激しい。車道を歩くときには車やバイクに十分注意しよう。

3.コース上又は周辺のハイキングコースなど
【登山・ハイキング】
・御飯岳(2160m)(ぐんま百名山、信州百名山)
・老ノ倉山(2020m)
・笠ヶ岳(2075m)(日本三百名山、信州百名山)
・草津白根山(2171m)(日本百名山、ぐんま百名山) (注)2018年6月現在、噴火警戒レベル2で立入規制中
・岩菅山(2295m)(日本二百名山、信州百名山)
・毛無峠から破風岳を経て西進する稜線トレイル
・渋峠から横手山を経て東進する稜線トレイル
・渋峠から芳ケ平を経て草津温泉

【温泉・スキー】
・草津温泉;日本を代表する名湯。湯畑を中心に古い風情の温泉街
https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/

・万座温泉;標高1800m。通年自家用車で辿り着ける日本最高所の温泉
http://www.manzaonsen.gr.jp/index.php

・万座温泉スキー場

【その他】
・毛無峠;名のとおり、木々が少なく荒涼としている。小串鉱山の硫黄採掘による伐採や亜硫酸ガスで一帯が裸山に。鉱山は昭和
46年に閉山。今の峠にはグライダーマニアやライダーが集う。

4.エピローグphoto4.JPG約100kmの稜線トレイルで毛無峠-渋峠間は一部を除き舗装道路である。この区間をどの様につないで100kmトレイルを完結させるか、チャレンジする各人の思惑はいろいろであろう。
当支部でも、この区間は、徒歩の他、ロードバイク、ランニング、車での通過で“縦走”としている。一方、そのようにこだわって線でつなぐ方法の他に、前項で例示したように、このエリアでは、温泉、スキー、登山、ハイキング、バードウォッチ、ラジコングライダー、バイク、曲竹筍狩り等々、多様な楽しみ方が可能であり、それらすべてはトレイルの精神に合致するはずである。(日本山岳会群馬支部;まゆ、Merapi、山頂珈琲)

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