新ガイドブック調査山行報告
日時;2018年7月20日(金)
コース;八間山
行程;野反峠→八間山→堂岩山→地蔵峠→池ノ峠
前々日の例会時、日山協の会長で、当支部の設立メンバーでもある方から、『山岳(第十四年第一号)』(大正九年一月発行)の複写をいただいた。「信州笠ヶ岳と横手山」及び「白砂登山記」の記事が掲載されている。私たちの進めている『群馬県境稜線トレイル』リレー踏破の参考のためだと理解した。アカデミックな背景を理解したうえで、実証の場であるフィールドに歩を進めれば山を広く深く理解できるのだよという示唆として。
大正九年当時、白砂山登山の入口となる野反湖畔(当時は湿原の中に点在する池を総称して野反池と呼ばれていた。昭和28年から31年にかけて東京電力が水力発電用ダム湖として建設して野反湖となる)に立つまでのアプローチの大変さは並大抵ではなかった。軽井沢を朝4時に出発し、花敷温泉に着いたのが夜7時過ぎ。また、白砂山往復には二晩の野営を余儀なくされている。
記事を読んで驚くのは、地元の人々が日常的に山深く分け入り、地形・気象や産物を熟知していたことである。生活の糧を得るために歩いた踏み跡が今の登山路につながっている。大正六年に日本山岳会の先達が歩いたその道を私たちも今日歩いた。私たちの装備は技術的に改良されているだろうが、一歩の歩幅が変わらないように、探究心も約100年前と変わらないハズだと感じつつも、困難さが格段に違うことから生ずる輝きの差は避けがたいように思えた。(リーダ:コーヒーを頂で)