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日本山岳会 群馬支部

燧ヶ岳山麓周遊

燧ヶ岳山麓周遊

新ガイドブック調査山行余話

2018年6月30日から7月1日
コース
1日目:大清水→一ノ瀬→三平峠→長蔵小屋→長英新道分岐→尾瀬沼・沼尻→尾瀬ヶ原・見晴(第2長蔵小屋泊)
2日目:見晴→元湯山荘→燧裏林道→御池→沼山峠休憩所→沼山峠→大江湿原→長蔵小屋→三平峠→一ノ瀬→大清水

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○よもやま話
黛チーフリーダーの特別な計らいで、燧ヶ岳登頂、三条ノ滝経由をバサッと割愛、尾瀬沼の北半分と燧裏林道から再び尾瀬沼へ。つまり、燧ヶ岳をグルッと1周するだけの2日間、ピーク登頂もなしの、ちょっと厳しい逍遙トレイルを体験した。この大幅カットにはいくつかの理由がある。

自分の足では2日間の、燧ヶ岳登頂を含む「ロングトレイル」に耐えきれないと見切ったこと。もう1つの理由は、この春に逍遙仲間に引きずり込んだ初心者の友人に、山小屋泊の「本格的」な山旅を体験してもらいたかったため。タップリと腹の出た、四捨五入すれば70歳となる友でも「林道」ならば…という見通しもあった。では、実態はどうだったか。

完走はした。しかしながら、後半の2日目は苦闘だった。元湯山荘から三条ノ滝への山道を右に分け、広葉樹林帯の「林道」に入る。幅40センチほどの1本の木道が、アップダウンを繰り返しながら延々と続く。路面は湿り気十分、木道を外せば山靴もしっかりと路面に吸い込まれる。前半部分で出会った登山者はアッと驚く、わずかに1人。しかも簡単に追い抜かれた。

初日の6月30日に梅雨が明けた。「梅雨明け十日」という言葉があるそうだ。山の天気が一番安定する意味という。白い雲を浮かべた夏の青空が広がり、山の緑がくっきりとスカイラインを描いているはずだ。だが、深い樹林帯の「林道」では時たま木漏れ日が差し込む程度。湿気の多い緑のトンネルがこれでもかと立ちはだかる。

「林道」とはなんだろう。自分のイメージでは、でこぼこで、落石の痕跡はあるものの、軽トラック位は通行できる。こんな甘く狭い認識を見事に打ち砕く「林道」だった。同行の友と「秋なら(紅葉で)いいんだよね」と励まし合ったが、何か、力がこもらない。

いずれにしても、ヘロヘロになりながらも完歩した。2日間、楽しいこともあった。心を奪われる光景にも出合ったが、何か、愚痴も続く。何はともあれ、若干遅れながらも、一歩一歩確実な歩みを終点まで継続した友には、賞賛の拍手を贈りたい。(リーダー:武尾)

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